突起による平板境界層の乱流遷移の研究 研究要旨

流体中の固体表面に形成される境界層内の流れが層流であるか乱流であるかは、物体に働く抵抗、流体の熱伝達性能などに大きく影響する。その境界層流の層流から乱流への遷移には物体上の小さな突起によって促進される例がある。そこで風洞中の平板上に3次元突起を設置してこれによる乱流遷移機構を解明する。突起下流にはくさび型の乱流領域(乱流くさび)が発生するが,突起を複数個横に並べた突起列の下流には複数個の乱流くさびが生じる。この隣り合う乱流くさびが衝突、合体する挙動を調べる。また乱流くさび内の縦渦が受ける影響にも注目する。  突起は平板前縁から100mmの位置に、突起直径d=2mm、設置位置の層流境界層厚さにほぼ等しい高さk=2mmの円柱形で、これを突起隙間s=22mms/d=11)で横方向に11個並べて設置する。その下流に複数の乱流くさびが発達する。測定には熱線流速計を用い、各点での流れ方向、境界層厚さ方向及び横方向の速度成分を測定する。

                流れ場の模式図


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